ブラック企業での面接で滅茶苦茶に暴言を吐かれた話
ちから(@chikara_shuzei)です。
今から数年前、アルバイトの面接に行った時に暴言を吐かれたことがあった。
その時の話と、当時思っていたこと、今だから思うことを書き綴ってく。
あくまでも実際の出来事と個人的な感想と多少の一般論のみを語ることにする。
啖呵を切るような文句などは一切書かないことを約束しよう。
誰が悪いとか誰が悪くないとか、誰が間違っているとか誰が正しいとか、そのような裁きもここでは一切ナシ。
あれは学生だった夏の日のことだっただろうか。
デザイン会社へアルバイトの面接に行った時のことだ。
最初は社員であろう女性に誘導され、適性検査のようなテストをした。
そして何故か家族の生年月日なども聞かれた。
何と…世間知らずな俺は答えてしまったのだ…
しばらくしてから、その問題の面接官が取り巻き二人を連れて登場した。(多分その面接官は会社で一番偉い人物なのだとは思うが、話をわかりやすくする為、ここでは「面接官」と呼ぶことにする)
面接官は俺に最初の質問をした。
「お父さんは仕事は何してるの?」
俺は不覚にも答えてしまった。
当時は〝面接で家族に関する質問は答えなくても良い〟とは知らなかったのだ。
まあ答えてしまったので、面接官は更なる質問をして来た。
しかし俺は父親の仕事の内容を細かく知ることがなく、「そこまではわからないですね」と答えた。
すると少しキレ気味に「何で?」と面接官は言う。
更に「自分の家族のこと興味ないんだ!?」と驚くように面接官は俺に対して言って来る。
どうやらこの面接官にとっては、家族の仕事の内容を完全に把握しない人は、「家族に興味がない人」というレッテルを貼るらしい。
思想自体は人の自由だからどうでも良いが。
そして心の中でテンパった俺は、「100%丸々知っていると言うことはないですね」と言った。
俺は当時から極論がお得意なようだった笑
そして相手の怒りのボルテージがマックスになり、「君全然ダメ!」と俺に叫んで来た。
〝家族の仕事の内容を理解してないこと〟がダメなのか?
ここからしばらく面接官のターン!
面接官が5ターンに対して、ようやく俺に1ターン回って来るイメージである。
「家族のこと何もわかってない!」
「興味がないんだよ!」
「質問とかしてないんでしょ!」
「知ろうとする意識がないのさ!」
「君は自分で勝手に思ったことを、ろくに聞きもしないで勝手にこうだと決め付けてるんだよ!」
…このように言われてしまった…
最後の言葉は今の時代で表現するなら「ブーメラン」って言うのかな?
別に不確定なことは何も答えていないのだが。
そして更に面接官は「君今何で怒られているかわからないでしょ?」と質問する。
俺はその質問に「いいえ」と答えた。
恐らく面接官はこの問いに対し、俺が「はい」と答えることを想定していたのだろう。
しかし「いいえ」と答えてしまったが為に、面接官は意味不明な言葉を俺に投げる。
「いや!顔がそうじゃない!」
こちらからの想定外の返答に対し、言葉を詰まらせずに即答することが出来たこの面接官は素直に凄いと思うが、流石に苦しい切り返しである。
顔がそうじゃない?
面白い言葉だ。
俺は特にまだ何も自分の考えとかは言っていなかったのだが…
「その甘い考え捨てた方が良いよ!」とドヤ顔を作って言う面接官。
とても気持ち良さそうな顔をしているのだが、〝その〟ってどの…?
そもそも俺は何も自分の考えも理想も言っていないのだがな。
当時俺は実家で暮らしていたのだが、「その歳で実家で暮らしてるとか恥ずかしいんだよ!甘ったれてるんじゃないの?」と、個人的な生活面について何故か怒る。
面接官の主観的な感想を、〝面接することを目的としている場〟で俺に打ち明けながら怒る。
ドヤ顔したり怒ったりイライラしたり、とても忙しい面接官だ。
ここで遂に俺のターンである。
「今は一人暮らしの必要がないからですね。仕事などでしなければならない状況になったらします」
捻りはないが、無難な回答が一番良いだろう。
これを無難と呼ぶのならな。
まあ俺が実家で暮らしていようが、仮にそれが恥ずかしいことであろうが、こちらの暮らしについて他人が干渉する筋合いはないのだが。
面接官のターン。
「男はね、一人前になって自立して親を安心させるもんなんじゃないの?実家に居てそれで何も言われないとか甘やかされてるね!実家なら何も自分でしなくて良いもんな!」
>>自立して親を安心させるもんなんじゃないの?
とてもその通りだと思います。
…が…その為の第一歩として社会経験を積もうとしているのですが…
>>実家に居てそれで何も言われないとか甘やかされてるね!実家なら何も自分でしなくて良いもんな!
さっきから妄想だけで語られて全く面接をしていないだと…?
面接官による質問攻めはまだまだ続く!
「親を安心させる為にどうすれば良いと思う?」
「仕事をすること…ですね…」
流石にこれはやり過ごされるだろうと思っていたのだが、遂に自己陶酔度が頂点になったであろう面接官は…
「違う!」
(違うんかい!笑)
「一人前になることだ!」
…あ…はい…あなたの仰る通りです…
しかしその為の第一歩として(以下略)
さて、話は大きく変わるが、俺は家族構成では〝長男〟に属する人間だ。
家族で二つとないこの〝長男〟という重い肩書きが、この面接で最悪の事態を訪れさせる。
「長男だろ!」
「長男のくせに全然長男らしくない!」
「おい長男!」
どうやら面接官が主観的に思い描く〝長男〟としての人物像と、俺の人物像は全く違っていたらしい。
違うからということで、これでもまたキレられてしまった。
ちなみにここまで仕事に関する話は全くナシ。
後はアルバイトの勤務時間について。
下調べとしてその会社のHPを拝見した時に、「希望勤務時間」(記入必須)の欄があった。
俺は特に希望の勤務時間はなかったが、その会社自身が求人雑誌に掲載した時間を履歴書にそのまま記入した。
交通機関が動いている時間も考え、通勤が物理的に不可能な時間帯は記入しなかったのだ。
面接官はそれを見て…
「履歴書の希望欄に時間まで指定しやがって!」
本当に面接官の頭が心配で認知症ではないかと不安に思った。
それか何か病気を持っているのではないか。
病気を患っているのに無理して仕事をしているのではないのか。
俺は落ち着いて、「求人雑誌に書かれてある時間をそのまま記入したんですよ」と言ったが、二度目の「履歴書の希望欄に時間まで指定しやがって!」と言う言葉が飛んで来た。
この面接官は日本語が通じないらしい。
もしくは会話が出来ないのかな。
…失言した…日本語が通じないのも、会話が出来ないのも、もしかしたら触れてはいけない深い事情があるのかもしれない。
とは言え、自分自身で記載した内容くらい覚えているとか、もしくはそれを言われたら思い出すくらいのことは出来なかったのだろうか。
まるで相手の都合を考えず、話してく内に段々とヒートアップして妄想を早口で語るオタクのようだった。
後は当時としては俺にとって地雷な言葉を言われた。
「おりこうさんぶってる」
「意志の強さを感じない」
「見てて弱々しいもん」
「守りに入ってるもん」
当たってなくもないが…別にそれ仕事と関係ない…!
面接官が妄想して作り上げた俺の人物像に対して、もっと言うと〝架空の人物に対して〟の罵倒がほとんどである。
100歩譲ってこの面接官が勝手に作り上げた俺へのイメージと、実際の俺のパーソナリティが一致していたとして…だとしても別に面接で言われる筋合いのないことばかりであり、どちらにしても不毛な妄想語りである。
この面接官は一人で一体誰と戦っているんだ…?
相手の妄想はまだまだ続く。
「そうやってニヤニヤしてるけどさ…あれだろ…?面接のマニュアルみたいなヤツだろ?ウチにはそんなの通用しないから!」
どうやら俺はしっかり笑顔を作っていたみたいだ。
つまり俺は、〝不機嫌そうな表情を無意識に出してしまったことで相手を不快にさせた〟という訳ではないってことだ。
その会社は2日くらいですぐに辞める人もいるみたいだ。
何かミスをすれば物差しなどで叩かれるとのこと。
これは面接官本人が言っていたから間違いない。
しかも…
「ウチには余裕がないから!」だと。
余裕がないのにどうせ落とす学生の面接の為に、1時間半も妄想話だけに費やすって面白いな。
面接官の言う通り、俺はずっと笑顔だったのだが、客観的に見たらこのシーンはどのように映っていたのだろう?
仕事を放棄して面接中に妄想を語り、語れば語るほどヒートアップして必死に学生にキレて掛かる会社の経営者。
そして笑顔で聞かれたことにはしっかり答え、ずっと面接官の話を聞いて頷いていた学生。
ちなみに俺は今も昔も誰かを〝言い負かす〟だとか、ましてや〝論破〟などが出来る人間ではない。
頭の回転も鈍いので、口喧嘩はクソザコでゴミクズのレベルで弱い人間である。
むしろ俺と口喧嘩をする場面へ持ち込めば、喧嘩相手はもう勝ったのが確定したと言って良いだろう。
だからこの面接は傍から見たら、間違いなく俺が口喧嘩でボロボロに負けた場面なのだ。
良かったですね面接官さん。
俺のこの記事を読んだ皆さんが、あなたを〝人を言い負かすのが上手な大人〟と賞賛しますよ。
むしろこの記事で公開処刑を喰らったのは、面接官さんに言い負かされた私の方ですよ。
しかし相手の思惑は何だったのだろう?
もしも〝俺が途中でキレて面接の途中で逃げ出す〟ってことを相手が想定していたら…それを望んでいたら…それこそ俺は空気が読めない学生だっただろう。
実際はどうなのかはわからないが。
でももしそうだったら俺は大人気ない対応をしてしまった。
面接官は言いたいことを言った後は部屋から出て行った。
面接が始まって約1時間半後のことである。
その後は取り巻き達との会話で面接は終了した。
その取り巻きの一人からも「もしかして人と協調性を持って生きて来ていないんじゃないか」と言われてしまった。
仮にそれが本当だったとして…だから何…!?笑
ちなみにこの会社は不採用になって安心した。
ここで面接の回想は終わり。
俺は皆さんに、もし勘違いをさせてしまっていたら謝りたいことが一つだけある。
先程から散々この面接官に対して、「妄想を語っている」だの言ったが、別に妄想をすること自体が悪いことではない。
それ以前に、今語った面接の話において〝悪人〟なんてのは一人も存在していないのである。
会社を経営するのはあくまでも人間であり、悪魔ではない。
〝雇う側〟と〝雇われる側〟が人間である以上は、間違いなく相性というのは存在するのだ。
もしもこの面接官が俺を見て、「こいつは多分こういう奴だろう…ウチの会社には合わないな…」など、謂わば決め付けるのも分析するのも妄想するのも相手の自由なのだ。
これは仕方ない。
しかし…だとしたらおかしなことが出て来る。
どうせ不採用にする奴の面接に何故1時間半も使うのだ!?
…と言うこと。
不可解なことはまだまだある。
例えば…
この面接官が思い描く理想の長男像と俺が一致していないように見えるのであれば…
俺が弱々しく見えるのであれば…
俺のような奴と一緒に仕事をしたくないのであれば…
面接を1時間半もすることは相手にとって時間の無駄だったのではないだろうか!?
もっと言うと…
仮に俺が家族のことを全然わかっていない薄情な人間だとして…
俺が実家で暮らしていて、それが恥ずかしいことだとして…
おりこうさんぶっている人間だとして…
そんなことあなた(面接官)に関係ないし、仕事にも関係ありませんよね?笑
まあ別に採用の基準は全て相手側にあるので、俺に対してどう思ってもどう分析してもそれは相手の自由。
むしろ俺の振る舞いや風貌が、相手の癪に障る形で伝わっていたのなら、それは俺がそう思わせたのだ。
だとすれば原因はこちらにある。
しかし、面接の場は妄想を披露する場所ではないので、仮に俺に対してそう思ったとしても、それをキレながら言う必要性はどこにあったのだろうと不思議に思う。
面接とは、〝人物像や能力を見たり聞いたりする為に、直接会って対話などをする行為〟なのだ。
この面接官がしてるのは〝対話〟ではなかった。
〝圧迫面接〟と言う言葉もあるが、そもそも面接ですらないのでこれにも該当しない。
一方的にこの面接官が勝手に思っている個人的な感想と妄想を俺に語っていただけだ。
もちろん何度も言うが、思うのも言うのも相手の自由ではあるが。
ただ凡人の俺には、面接官の行動パターンや思考パターンに少し違和感を持っただけである。
ちなみにこの会社は破産していたようだ。
ざまあ見ろ!!
…などとは別に思わない。
普段の行いがこういう形で出たと言うだけである。
別に破産自体が悪いことでもない。
何かの結果なんて物は、今までの行いが積み重なったと言うだけなのだから。
ちなみに転職サイトで、元社員が書いたと思われるレビューを発見してしまった。
やはり圧迫面接ですらなく、面接に来た俺を試していたとかでもなく、あれが面接官の〝素〟だったのだ。
それが良い悪いかは別にして。
そもそも良いか悪いかなんて、それこそ各々の主観による物なのでどうでも良い。
てな訳で、実際にあった面接での不思議な体験談を終了させて貰う。
何度も言うが、この面接の話においては誰が正しいとか間違っているとかは興味がない。
しかし個人的にはこのような面接官は好きなタイプではない。
なのでこのような人物とは、二度と会いたくないと心から思う。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。